BtoBとは?
BtoBとは、企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取引形態のことです。英語では「Business to Business」の略で、売り手も買い手も“法人”になる点がポイント。
製造業なら部品メーカーが完成品メーカーに部材を納める、ITなら業務システムやクラウドを企業に提供する、といった形が典型です。卸売業者が小売店に商品を供給する関係もBtoBに含まれます。最終的に消費者の手に渡る商品であっても、その手前で行われる「仕入れ」「見積もり」「契約」「納品」などのやり取りは多くの場合がBtoB。相手は個人ではなく組織として判断するため、提案内容の妥当性や信頼性が重視されやすい点も押さえておくと理解が深まり、就活の業界研究にもつながります。
BtoBとBtoCの違い
企業対企業のBtoB、企業対個人のBtoC。
その違いは、主に下記のような部分に表れます。
①顧客層の違い
②購買プロセスの違い
③扱う商材の違い
④意思決定者の違い
⑤マーケティングの違い
これらの違いをみていきましょう。
①顧客層の違い
BtoBとBtoCの大きな違いの1つは、”誰を顧客としているか”です。
BtoBは、相手が企業や団体なので、「仕事の困りごとをどう解決するか」が出発点になりやすい取引です。例えば、業務を効率化したい、コストを抑えたい、売上を伸ばしたい、といった目的が先にあり、その目的に合うかどうかで選ばれます。だからこそ、導入の狙いや数字の目標がはっきりしていて、すぐに買うというより、長く使う前提で慎重に検討されることも多いです。
一方でBtoCは、購入するのが生活者本人。便利さはもちろん、「これが好き」「使ってみたい」といった感覚も判断材料になり、満足感や体験の良さが選ばれる理由になりやすいところが特徴です。
顧客が組織か個人かによって、求められる価値や向き合い方が大きく異なる点は、就活で企業理解を進める上でも重要な視点です。
②購買プロセスの違い
BtoBは、購入までの流れが複雑で、検討期間も長くなりやすいのが特徴です。多くの場合では、担当者が情報収集と課題整理や比較検討を進めた上で、社内の関係部署とすり合わせます。その後、見積もりや提案内容を踏まえて稟議・承認、必要に応じて法務チェックや契約条件の調整を経て、ようやく発注に至る。という形です。相手が組織である以上、「誰が何を不安に思うか」も段階ごとに変わり、時間をかけて合意を積み上げる必要があります。
一方でBtoCは、商材にもよるものの比較的短期間で購入が決まりやすく、最終判断も本人がその場で下せるケースが多い傾向にあります。検討の深さや決定までの道のりが違う点は、BtoB・BtoCを見分ける重要なヒントになります。
③扱う商材の違い
BtoBで扱う商材は、企業の業務や生産活動を支える「仕事のための道具・仕組み」が中心です。例えば、工場で使う機械や部品、オフィスの複合機・消耗品、会計ソフトやCRMなどの業務システム、研修・コンサルといったサービスも含まれます。専門性が高く、導入後の運用まで見据えて選ばれやすいのが特徴です。
一方で、BtoCは生活者が日常で使う「完成品」や体験が主役。食品・衣料品・家電・スマホ関連、外食や旅行、サブスクなど、選択肢が多く比較もしやすい商材が並びます。同じ「価値」を売るにしても、BtoBは業務成果、BtoCは生活の満足度に重心が置かれやすい点を押さえると理解が進みます。
④意思決定者の違い
BtoBでは、購入の判断が「一人で即決」になりにくいのが特徴です。現場の担当者が情報収集や比較を行い、利用部門の意見を集めた上で、部門責任者や経営層が費用対効果・リスクを見て最終決裁する、といった形が一般的です。金額が大きいほど稟議や承認ルートが増え、調達部門・情シス・法務などが関与することもあります。つまり、同じ提案でも「使う人」「予算を持つ人」「責任を負う人」で重視点が変わるのです。
一方BtoCは、購入者本人が決定権者であるケースが多く、価格や好み、口コミ、ブランドイメージなどが判断を後押しします。意思決定者の数と立場の違いは、商談の進み方にも直結します。
⑤マーケティングの違い
BtoBのマーケティングでは、専門性や合理性を重視した「論理的なアプローチ」が中心になります。導入によってどの課題が解決できるのか、業務効率やコストにどのような効果があるのかを、データや事例を用いて丁寧に伝えることが重要です。そのため、ホワイトペーパー、導入事例、セミナーやウェビナー、メール配信などを通じて、時間をかけて信頼関係を築く手法が多く使われます。
一方BtoCは、商品を使ったときの楽しさや便利さ、共感できる世界観など、感情に訴える表現が効果的です。テレビCMやSNS広告、インフルエンサーの発信、キャンペーン施策などで「欲しい」と感じるきっかけをつくり、購入までをスピーディにつなげていきます。
目的や相手に応じて、アプローチが大きく異なる点が特徴です。
BtoBの特徴
BtoCとの違いと合わせて理解したいことが「BtoBの特徴」。
・購買決定に時間がかかる
・取引金額が高額になる
・継続的な関係を築く
・専門的な知識が必要
上記の4つの観点から、BtoBの特徴を解説します。
①購買決定に時間がかかる
BtoBで購買決定に時間がかかりやすいのは、「導入後に業務へ与える影響」が大きく、簡単にやり直しがきかないためです。検討段階では、現場で本当に使えるか、既存の仕組みと問題なく連携できるか、コストに見合う効果が見込めるかといった点を細かく確認します。場合によっては、試験導入やデモ利用を行い、実際の運用を想定した検証が行われることもあります。
また、判断には複数部署が関与するのが一般的です。利用部門だけでなく、調達部門や情報システム部、法務部などが順にチェックを行い、最終的には決裁権者が承認します。そのため、検討開始から契約までに数カ月、内容次第では半年以上かかるケースも少なくありません。
②取引金額が高額になる
BtoBで取引金額が高額になりやすいのは、商品やサービスそのものだけでなく、「導入にかかる周辺コスト」まで含めて契約されることが多いからです。
例えば、業務システムの場合、初期導入費用に加え、カスタマイズ、運用サポート、保守・更新費用などが発生し、年間で数百万円規模になることも珍しくありません。設備投資や大型機器であれば、数千万円単位の取引になるケースもあります。
こうした高額取引は、企業の予算や経営判断に直接影響します。そのため、価格の妥当性だけでなく、投資に見合う成果が得られるか、長期的に使い続けられるかといった点まで慎重に検討されます。BtoBでは「金額の大きさ」が意思決定の重みを増す要因になっているのです。
③継続的な関係を築く
BtoBでは、一度導入したら終わりではなく、保守・更新・追加提案などを通じて取引が長期にわたるケースが多く見られます。継続的な関係を築ければ、売り手側は安定した売上を確保しやすくなり、事業計画や人員配置も立てやすくなります。新規営業に比べてコストを抑えられる点も、大きなメリットです。
一方、買い手側にとっても、業務内容を理解した取引先と長く付き合うことで、品質や対応のばらつきが減り、トラブル時の調整もスムーズになります。さらに、やり取りを重ねる中で提案の精度が高まり、「発注先」ではなく「パートナー」として協力し合える関係に発展しやすい点も、BtoBならではの特徴といえるでしょう。
④専門的な知識が必要
BtoBで専門的な知識が求められるのは、相手企業の業務や課題を正しく理解した上で、「どこに手を入れると成果につながるのか」を具体的に示す必要があるからです。そのため、自社の商品やサービスの仕組みだけでなく、顧客が属する業界の業務フロー、専門用語、商習慣まで把握しておくことが欠かせません。
例えば、IT業界では、クラウドの構成やセキュリティ要件、運用体制への理解が前提になりますし、製造業であれば図面の読み方や品質基準、納期管理の考え方が重要になります。金融・不動産分野では、法規制や契約実務の知識が提案の説得力を左右する場面も多いでしょう。こうした業界特有の前提を共有できるほど、話がスムーズに進み、信頼関係の構築にもつながっていきます。
BtoBの企業例
BtoB企業は、私たちが普段買う商品の“裏側”で、企業向けに部品・素材、業務システム、物流、設備、専門サービスなどを提供しています。製造業・IT・商社・卸など幅広い業界にあり、実は身近にもBtoB中心の会社は少なくないのです。
身近なBtoB企業は?
BtoB企業というと遠い存在に感じがちですが、実は私たちの生活のすぐそばで活躍しています。
例えば、工場の生産ラインを支えているのが「キーエンス」。製品そのものを消費者が買うことはありませんが、センサーや測定機器を通じて、多くのメーカーの品質管理を支えています。
また、役所の手続きや交通システムの裏側では「NTTデータ」が関わり、社会インフラをITで支えています。ネット通販が当たり前に届く背景には、法人向け物流を担う「ヤマト運輸」の存在も欠かせません。オフィス環境では「大塚商会」が、企業のIT導入から運用までを一括で支援しています。
就活では「商品が有名か」だけでなく、「どんな企業の仕事を支えているか」に目を向けると、BtoB企業の面白さが見えてくるでしょう。
どんな業界にBtoBがある?
BtoBは「メーカーやIT」だけの話ではなく、かなり幅広い業界に広がっています。
例えば、製造業なら部品・素材や生産設備、検査機器などで“ものづくりの現場”を支える役割。IT・通信は業務システム、クラウド、セキュリティなどを企業の運用に組み込みます。商社・卸はメーカーの商品を仕入れ、企業へ安定供給する“流通の要”。物流は法人向け配送や倉庫運営、フルフィルメントでECや店舗運営を下支えします。さらに建設・インフラの施工・保守、コンサル、人材、広告のような専門サービス、金融の決済・リースなども代表例でしょう。
就活では「最終的に誰の事業を動かしているか」を軸に見ると、BtoBの業界理解が進みます。
まとめ
BtoBとは、企業同士で価値をやり取りしながら、社会や産業の土台を支えるビジネスです。BtoCと比べると、顧客層や購買プロセス、商材、意思決定の仕組み、マーケティングの考え方まで大きく異なり、「信頼」と「継続性」が重要なキーワードになります。普段は表に出にくい分、仕事の中身が見えづらいと感じるかもしれませんが、視点を変えれば多くの企業活動を支えるダイナミックな世界なのです。
就活では知名度などだけで判断せず、「どんな企業の課題をどう支えているのか」に目を向けることで、自分に合った業界や仕事が見えてくるでしょう。
よくある質問
BtoBとBtoCのどちらが難しいですか?
一概に「どちらが難しい」とは言えません。BtoBは関係者が多く、合意形成や提案の組み立てに手間がかかりがち。一方BtoCは短時間で選ばれるため、第一印象や訴求力、競合との差別化が難所になります。自分の得意に合う方が“やりやすい”といえるでしょう。
BtoBで有名な企業はどこですか?
「有名どころ」で言うと、製造現場を支えるキーエンス・オムロン、社会や企業のIT基盤を担うNTTデータ、法人向けIT導入に強い大塚商会、企業間の取引を動かす総合商社(伊藤忠など)が代表例です。
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